あなたらしく働くための”ポータブルスキル”を身につけよう!
みなさん、ポータブルスキルという言葉をご存じですか?ポータブルとは「持ち運べる」という意味で、例えば転職して、会社や業種、職種が変わっても通用するスキルのことです。
最近は日本の会社で長年続いていた年功序列や終身雇用といった働き方が、大企業で廃止する動きが出ています。また新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあって、ますます不安定で先の見えない時代になってきました。
自分が今働いている会社は大丈夫かな…もし何かあった場合、他の会社でもやっていけるのかな…そんな不安を抱えている人も多いことでしょう。
そんな時代では、どこで働いていても活用できるポータブルスキルを身に着けることが大切と言われています。今回は会社や仕事で身に着けるスキルという点から、あなたの価値を高める方法を見ていきましょう。
社外で使えるスキルを身に着けよう
仕事で役に立つスキルは、「社内でのみ通用するスキル」と「社外でも通用するスキル」に分かれると言われています。
「社内でのみ通用するスキル」とは、組織の文化から生まれた、その会社独自のルールなどです。例えば、社内資料の細かい作り方や、社内申請の方法など。さらには、○○の件はAさんに話を通しておく…なんていう人間関係を含む社内調整なども。
私の経験では、配布資料のホチキスは左上でこの向きに留める、ハンコの位置は必ずこの位置・この向きで、なんていう指導を受けたことも…。今となっては笑い話ですが、当時は必死になってやっていたものです。
また、社内と社外の中間のような部分で、特定の業界や職種でのみ通用する知識やスキルもあります。
業界によっては特有の習慣があるため、会社が変わっても同じ業種なら通用するスキルがあります。会社を変える時に、同じ業界や職種で転職する人が多いのはこのためですね。
これらに対して「社外でも通用するスキル」とは、分かりやすいもので言うと、WordやExcelのスキルや英語など、資格系のスキルが想像できます。WordやExcelは今やどこの会社に行っても使いますし、最近は英語の読み書きや英会話能力を求められる仕事も多いです。
少し余談ですが、資格でおすすめなのが簿記です。私の体験では、資格を取る労力のわりにメリットが大きいと感じています。
簿記はざっくり言うと「お金やもの出入りを記録する方法」で、基本的にはどの会社もこのルールで決算書を作ります。つまり、まさにどの会社でも使えるスキルというわけです。
業務で主に使うのは経理部門や財務部門になりますが、直接使わなくても数字に強い印象を与えられます。そして会社の数字に理解があるということは、経営層などに気に入られる可能性もあります。これはある意味社内スキルでもありますね。
大切なのは「仕事のしかた」と「人との関わり方」
さて、上で紹介した資格系のスキルなどももちろん有効ですが、「社外でも通用するスキル」で最も大切なのは「仕事のしかた」と「人との関わり方」です。それぞれ具体的に見ていきましょう。
「仕事のしかた」とは、仕事の成果を出すために「課題を明らかにする」「計画を立てる」「実行する」ことです。
「課題を明らかにする」ことは、言い換えると「今やっている仕事は何のためにやっているのか?」が分かることです。指示されたからやる、というだけでなく仕事の目的を考えることが大切です。
「計画を立てる」ことは、いわゆるスケジュール管理です。どんなに仕事を丁寧にやっても、締め切りに間に合わないのでは困りますよね。無理なスケジュールを組まなかったり、遅れそうな時は連絡したりするのも大切なスキルです。
「実行する」とは、プレッシャーなどに負けず仕事をやり切る力です。想定外の事態が発生した時の対応能力なども求められます。
人との関わり方」とは、「上司への対応」「部下へのマネジメント」「社外への対応」の3つに分けられます。
「上司への対応」では、上司から期待されている自分の役割を理解したり、必要であれば提案したりすることが求められます。
「部下へのマネジメント」では、適切な指導や教育、評価が求められます。部下がどのような性格なのかを理解するのも大切ですね。
「社外への対応」は取引先との信頼関係をつくり、維持することです。本当にお付き合いして良いパートナーか見極める力も欲しいところです。
今の会社や仕事でもポータブルスキルは身につけられる
社外でも通用する「ポータブルスキル」を見てきましたが、いかがでしたか?
仕事の基本的な考え方や、仕事上の人間関係など、言われてみればどこでも必要なスキルだし、当たり前のことだなと感じた方もいるかもしれません。
ところで、どこでも通用するスキルは、あなたが今働いている会社でも通用するスキルだし、求められているものです。そう、ポータブルスキルは今の会社で、今日からでも身に着けることができるのです。
例えば、これまで何気なくやっていた仕事でも「これは何のためにやっているのだろう?」「この打ち合わせの課題やテーマは何だろう?」そんな風に考えてみると良いでしょう。
スケジュール管理も「先輩、そういえばあの件どうなっていますか?」そんな声掛けから始めても良いでしょう。周りの人が案外できてない事だったりします。
そして、勘違いしてはいけないのが、上で紹介したスキルを全て身に着けなければいけない、というわけではありません。
人には向き・不向きや適性といったものがあります。大切なのは、あなたの強みを見つけてそれを活かすということです。
一般社団法人人材サービス産業協議会では、ネットであなたのポータブルスキルとそれを活かせる職業を診断できるサービスを用意しています。
ポータブルスキル セルフチェック
http://sp.j-hr.or.jp/どんな会社でも、自分らしく働けることが、あなたの価値を高めることに繋がります。あなたが強みとしているポータブルスキルは何なのか、是非確認してみてください。
参考文献
“ポータブルスキル”活用研修 一般社団法人人材サービス産業協議会